AccessとExcelの違いは、用途やデータ容量、データの取り扱いなど多岐にわたります。それぞれにメリット・デメリットがあるため、業務の規模や内容に応じて使い分けましょう。
本記事では、AccessとExcelの違いやそれぞれの課題、良いところ取りができるサービスをご紹介します。
Accessとは
Accessとは、マイクロソフト社が開発したデータベース管理ツールで、データの蓄積や整理、分析などを効率的に行うためのソフトウェアです。
ここでは、Accessのメリットや、どのような業務に活用できるかについて解説します。
Accessのメリット
Accessは、データの保存・検索・集計・分析ができ、中小規模の業務用システムを簡単に構築できます。最大2GBのデータ量で、小規模チームや中小企業の業務管理に便利です。
Excelとの連携がしやすく、Excelでは管理しきれなくなったデータを扱うこともできます。Microsoft 365に含まれているため、導入コストが低い点もメリットです。
Accessが向いている業務
Accessは、小規模な在庫管理や顧客管理に適しています。顧客管理では、顧客情報に加えて、過去の取引履歴や対応履歴などを紐づけて記録できます。在庫管理では、商品ごとの在庫数や入出庫履歴、発注タイミングなどの情報を一元的に管理することが可能です。
また、見積書や請求書の発行管理にも適しており、顧客情報・商品情報・金額を組み合わせて書類を自動生成できます。さらに、発行履歴の保存や未入金状況の追跡も可能です。
Excelとは
Excelとは、マイクロソフト社が提供する表計算ソフトです。
ここでは、Excelのメリットや、向いている業務を解説します。
Excelのメリット
Excelは、マウスやキーボードだけで簡単に表や計算式を作成でき、初心者でもすぐに使える操作性がメリットです。関数や数式、マクロ(VBA)を組み合わせることで、さまざまな業務プロセスを自動化・効率化できます。
ピボットテーブルやグラフ作成機能など、データの集計・分析・視覚化に役立つ機能が搭載され、データを効果的に整理できることもメリットです。
Excelが向いている業務
Excelは多機能で汎用性が高く、さまざまな業務に向いています。特にExcelが向いている業務は、集計・分析業務や会計・経理、営業・マーケティングがあげられます。
集計・分析業務では売上・経費・在庫などのデータ集計ができ、会計・経理では月次・年次の収支管理や請求書・見積書の作成に便利です。
営業・マーケティングでは、顧客リストの管理やキャンペーンの効果測定などに活用できます。
AccessとExcelの違いは?
どちらもデータを扱うツールですが、その用途や扱える情報量などには大きな違いがあります。
ここでは、それぞれの特徴を踏まえながら、具体的にどう異なるのかを詳しくみていきましょう。
使用目的
AccessとExcelは、それぞれ使用目的が異なります。Accessはデータベースを管理するためのソフトウェアで、主に情報の一元管理やデータベースの運用が目的です。複数のデータを統合して管理できるため、顧客管理や在庫管理など、業務システム的な運用に適しています。
一方、Excelは表計算を行うためのソフトウェアで、表やグラフの作成、簡単な計算処理を目的としています。数値の集計やシミュレーション、グラフや表によるデータの可視化が得意です。
データ容量
AccessとExcelでは、取り扱えるデータ容量にも違いがあります。Excelは表計算ソフトであり、大量のデータを扱うのには適していません。処理可能な行数や列数には上限が定められています。
一方、Accessは1つのデータベースファイルにつき最大2GBまでのデータを扱える上、Excelでは処理が難しい大量データの管理や分析に適しています。
データの取り扱い
AccessとExcelでは、データの取り扱いが異なります。 Accessでは、テーブルやフォームを通じてデータを入力し、各列に文字列・数値・日付などのデータ型をあらかじめ指定できるため、データの整合性を維持しやすい点が特徴です。
一方、Excelではセルに直接データを入力し、明確なデータ型の指定がないため、入力ミスやデータのばらつきが生じやすくなります。
AccessとExcelの課題
どちらもメリットのあるツールですが、課題も存在します。
具体的にどのような問題があるのかを詳しくみていきましょう。
開発・運用に専門知識が必要
Accessは、基本的な操作であれば初心者にも理解しやすい一方で、本格的な開発や運用を行うには、一定の専門知識が求められる点がデメリットです。
一方、Excelは初心者にも扱いやすいという点がメリットですが、他のツールとのデータ連携が難しく、情報を初めからExcelに手入力する必要があります。そのため、作業が非効率になりやすく、入力ミスが発生しやすいことが課題です。
複数人で共有できない
Accessは、もともと個人や少人数のチームでデータを管理することを想定して設計されたソフトウェアです。そのため、複数人で同時にデータベースを操作・編集するような利用にはあまり向いておらず、ファイルの共有や同時作業を行う際には制約やトラブルが発生しやすくなります。
一方、Excelも手軽に使える表計算ソフトとして広く利用されていますが、複数人による同時編集には限界があります。ファイルの共有やバージョン管理が複雑になりやすく、同じファイルを別々に編集して内容が上書きされてしまうなどのトラブルも起こりがちです。
データ容量が少ない
AccessもExcelも、データ容量が少ない点がデメリットです。
Accessは、1つのデータベースファイルにつき最大で2GBまでのデータ容量を扱えます。この容量は中小規模の業務には十分対応できますが、大規模なデータを扱う場合や、多数のユーザーが同時にアクセス・操作するような環境にはあまり適していません。そのため、規模の大きい業務や高頻度の更新が必要なシステムには、より高性能なデータベースシステムの導入が必要になるでしょう。
一方、Excelは表計算ソフトとして柔軟性が高く、多くの業務で活用されていますが、扱うデータが多くなるとファイルが重くなり、動作が遅くなることがあります。その結果、作業効率が低下し、操作ミスの原因になる可能性もあるでしょう。特に数万行を超えるようなデータ処理では、パフォーマンスに注意が必要です。
AccessとExcelの課題を解決できるCELF
AccessやExcelはデータの管理や集計などで広く活用されている便利なツールですが、それぞれに特有の制約やデメリットが存在します。
これを解決できるのが、業務アプリの「CELF(セルフ)」です。
ここでは、CELFについてご紹介します。
CELFとは
CELFとは、プログラミングの専門知識がなくても業務アプリを簡単に作成・運用できる、クラウド型の業務改善ツールです。従来、業務アプリを開発するには専門的な知識やスキルが求められましたが、CELFではその必要がありません。Excelに似た操作画面とわかりやすいインターフェースにより、現場の担当者自らが業務アプリを構築できます。
ドラッグ&ドロップや関数の入力を中心に行い、Excelのような感覚で直感的に操作が可能です。たとえば、セルの指定やIF関数など、Excelで使い慣れた機能がそのまま活用できるため、導入のハードルが低いのも大きな特徴です。
既存のExcel帳票や管理ファイルをもとにアプリ化できるため、従来の業務フローを大きく変えることなく、段階的にシステム化を推進できます。その結果、業務の効率化やデータの一元管理といった効果を短期間で実感できるでしょう。
CELFとAccess・Excelの違い・共通点
CELFとAccess・Excelを比較表にしました。
CELF | Access | Excel | |
ジャンル | ノーコード開発ツール | データベースソフト | 表計算ソフト |
メリット・強み | ・Excelのような見た目の業務アプリをノーコードで作成できる ・リアルタイムに情報が反映されるため、データを使いたいときにすぐに使える ・データ集計、入力作業が不要になるため、業務効率化ができる | ・大量データを効率的に管理できる ・複数人同時使用を前提とした設計が可能 ・リレーショナルデータベースで整合性を維持できる | ・簡単な操作で表計算 ・グラフ作成ができる ・関数・ピボットテーブルでデータ分析が可能 |
データの一元管理 | 〇 全員が参照できる1ヵ所で集中管理 | △ 多人数や大量データにはあまり向かない | × データ整合性・一貫性の管理が難しい |
蓄積データ件数 | 〇 数千万件、数億件でも蓄積可能 | △ 2GB | × 大量データに弱く、ファイルが重くなりやすい |
複数人でのリアルタイム同時編集 | 〇 複数人が同時に書き込むことを前提に作られており、書き込みの条件・タイミングを制御できる | △ 同時編集はできるが大人数(10人以上)には不向き | × 複数人同時編集に向いていない(トラブルが起きやすい) |
使いやすさ | 〇 ノーコードでプログラミング知識がなくても業務アプリを作成できる | △ クエリ・フォーム・レポート機能で高度なデータ操作ができるが、 習得にある程度の知識が必要 | 〇 多くの人が使い慣れており、知識やノウハウの共有が容易 |
MicrosoftOffice以外の外部サービスとの連携 | 〇 プログラミング不要でアプリ間を跨いだデータの組み合わせが可能 | △ 連携可能だが、標準機能だけでは限界があり、ODBC接続やAPI連携、カスタム開発が必要 | × ・複雑なシステム間でデータ連携が行われると、データの整合性が保たれにくい ・大量のデータの処理に限界がある |
CELFは見た目や操作性がExcelと同じで、CELFとAccessはデータ管理ができる点で共通しています。
しかし、AccessやExcelは複数人での同時利用やリアルタイム共有にはあまり適していないのに対し、CELFはクラウドベースであるため、複数人による同時編集やデータの共有がスムーズに行えます。
データはクラウド上に大量に保存できるため、管理や共有がしやすく、情報の一元化ができることもAccessやExcelとは異なる点です。
さらに、普段利用している基幹システムや外部サービスとのデータ連携も容易に行えるため、業務効率の向上が期待できます。
CELFで実現できること
CELFは、Excelのような直感的な操作性を保ちながら、より効率的な業務システムを構築できます。プログラミングなどの専門知識がなくても、誰でも簡単に業務アプリを作成でき、Excelに似た表形式でデータを一元管理できます。
また、オプションでRPA(Robotic Process Automation)を導入することも可能です。RPAはソフトウェアロボットによって定型業務を自動化する仕組みで、日常的な繰り返し作業を手軽に効率化できます。これにより、人的ミスの削減や作業時間の短縮など、大幅な業務改善が期待できるでしょう。
AccessとExcelの良いところ取りができるCELF
AccessとExcelは、それぞれ異なる用途に特化したツールであり、目的に応じて使い分けることが可能です。ただし、Accessを本格的に活用して開発や運用を行うには、一定の専門知識が求められます。また、Access・Excelの両方に共通する課題として、複数人でのデータ共有や同時編集が難しい点があげられます。
その点、CELFであれば、これらのデメリットの克服が可能です。Excelに近い操作性で、Accessのように多くのデータを一元管理できる機能を備えています。さらに、クラウド環境で動作するため、複数人による同時作業やリアルタイムでの情報共有もスムーズに行えます。AccessとExcelの良いところ取りができるCELFを、ぜひご活用ください。