Accessが時代遅れとされる理由として、Excelの機能強化やクラウドサービスの普及、企業が扱うデータ量の増加などが挙げられます。
本記事では、Accessが時代遅れとされる理由や課題、脱Accessが適しているケースなどを解説します。Accessの課題を解決した企業の事例もご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
Accessとは
Accessとは、Microsoft社が提供するデータベースソフトウェアです。データを効率的に整理・管理・分析する機能が搭載されています。
商品や顧客情報などのデータの一元管理や、伝票や請求書などの帳票類の自動生成などが可能であり、その使いやすさや機能性から、とくに中小企業を中心に広く普及しました。
しかし、登場から約30年が経過し、テクノロジーの変化を背景に「Accessは時代遅れ」と言われることが増えてきています。
Accessの主な特徴とできること
Accessは、データの整理・管理・分析を効率よく行うために役立つツールです。1つのデータベースには最大2GBまで保存でき、一定量のデータにも対応可能です。保存した情報は、リスト形式・ラベル形式・帳票形式など、用途に応じたさまざまなスタイルで出力できます。
さらに、マクロ機能やAccess VBAによる自動化機能を活用することで、データベースの構築や運用を効率化できます。データの構造化によって、スムーズな検索・分析も実現可能です。
Excelとの違い
AccessとExcelでは、主に利用目的や、処理できるデータ量の上限に違いがあります。
Accessが「データベース管理を目的としたソフトウェア」であるのに対し、Excelは「計算処理や表作成を行うためのソフトウェア」です。
また、Excelはあくまでも表計算ツールであり、大量のデータ処理には不向きですが、Accessは2GB以内であれば文字数の制限なしにデータを取り扱えます。
Accessが時代遅れとされる5つの理由
Accessが時代遅れとされる主な理由は、以下の5点です。
- Excelの機能拡張で、より便利になったから
- クラウドサービスが普及したから
- フロントエンドとバックエンドの分業が増えたから
- 企業が扱うデータ量に対応できなくなったから
- Macでは使えないから
それぞれの内容を解説します。
1.Excelの機能拡張で、より便利になったから
Accessが時代遅れと言われるようになった理由として、Excelの機能が拡張し、より便利になった点が挙げられます。Excelは、ピボットテーブルやPower Queryなどの機能拡張により、データの集計や分析の自由度が大きく向上し、 Accessで行っていた一部のデータ集計や分析作業は、Excelの機能強化により代替可能となりました。
2.クラウドサービスが普及したから
クラウド型のデータ管理ツールやサービスの普及により、インターネット環境があれば、いつでもどこでも、データへのアクセスが可能になりました。それに対し、Accessはインストール型のOfficeソフトであるため、使用するためには端末にソフトウェアをインストールしなければなりません。この点も、Accessが時代遅れと言われる大きな要因といえるでしょう。
3.フロントエンドとバックエンドの分業が増えたから
フロントエンドとバックエンドの分業が増えたことも、Accessが時代遅れと言われるようになった理由として挙げられます。
かつては、Accessの.mdbファイル1つで、フロントエンドとバックエンドをまとめて運用するケースが一般的でした。 しかし、データ量やユーザー数の増加により処理速度に限界が生じ、Web画面をフロントエンド、MySQLなどをバックエンドと分け、Web上でスムーズに利用できる形態を採用する企業が増えつつあります。
4.企業が扱うデータ量に対応できなくなったから
企業が扱うデータ量に対応できなくなったことも、Accessが時代遅れと言われるようになった要因の1つです。
DXの推進やIoTの普及により、企業に蓄積されるデータ量は増えていますが、Accessにはデータベースのサイズが2GBまでという制約があります。2GB以上のデータを扱うには、新たなデータベースファイルを作成しなくてはなりません。そのため、一貫したデータ管理が可能な、大容量に対応できるツールへの移行が進んでいます。
5.Macでは使えないから
Windowsの専用ソフトであるAccessは、OSの異なるMacのパソコンでは使えません。近年ではMacユーザーの増加に伴い、ExcelやWordなど他のオフィスソフトについては、Macでも利用できるようになりました。
しかし、AccessはいまだにWindows限定であることから、時代遅れとされるようになったと考えられます。
Accessが抱える課題
Accessが抱える課題として挙げられるのは、以下のとおりです。
- バージョンアップのたびに問題が起きやすい
- データベースの知識が必須で属人化しやすい
- 大人数で利用できない
- セキュリティ上のリスクがある
それぞれの課題について解説します。
バージョンアップのたびに問題が起きやすい
Accessは、バージョンアップのたびに、データとの互換問題が起きやすい傾向があります。
バージョンアップ後にエラーが発生したり、古いデータベースが正しく動作しなかったりすることも少なくありません。そのため、動作確認や修正作業に手間がかかり、企業が利用する上で大きな負担となることが課題です。
データベースの知識が必須で属人化しやすい
Accessを活用するには、SQLなどのデータベースの知識に加え、Access独自の知識・スキルも求められます。データベースの知識を持たない方がAccessを使いこなせるようになるまでには、時間を要してしまうでしょう。結果的に、特定の従業員に業務が偏りやすい点が課題です。
担当者の異動や退職が発生すると、運用に支障をきたすリスクが生じることもあります。
大人数での作業には向いていない
大人数での利用に不向きな点もAccessの課題といえるでしょう。Accessはもともと、個人や少人数でのデータ管理を想定して作られたツールです。そのため、大人数で同時に作業したり、広くデータを共有したりする運用には向いていません。10人くらいまでの少人数では利用可能とされます。
大規模なチームで利用したい場合はAccessではなく、クラウド型のサービスを選ぶことが適しているでしょう。
セキュリティ上のリスクがある
Accessの利用に際して、セキュリティ上のリスクがある点も課題です。Accessを利用するユーザー部門の従業員に、機密情報を扱うデータベースへのIDやパスワードを開示する必要があるため、セキュリティ面でのリスクが生じます。
また、Accessは、データの取得者を特定できません。したがって、万が一情報漏洩が起きた際に原因を追跡できない点にも注意が必要です。
脱Accessが適しているケース
脱Accessが適しているのは、以下のようなケースです。
- 2GB以上のデータを保存したい
- 大人数で利用したい
- 他のデータと連携して、より高度な分析に使いたい
- 同時作業・同時編集、リアルタイムでの情報把握などをしたい
- 専門的なスキルが不要で、手軽に操作できるソフトを希望する
上記のようなケースでは、Accessから、ほかのツールへの移行の検討をおすすめします。
Accessの代替ツールにおすすめの「CELF」
Accessは、データ容量の制限や属人化リスク、セキュリティ面での課題など、昨今のビジネス環境にはフィットしにくくなっています。
そこでおすすめなのが、SCSK株式会社が提供する、ノーコードツール「CELF」です。専門的なプログラミングスキルや知識がなくても、誰でも気軽に業務に合わせたアプリを作成できます。Accessの機能に限界を感じているなら、CELFへの切り替えを検討しましょう。
CELFでAccessの課題を解決した企業の事例
ここからは、CELFでAccessの課題を解決した「損害保険ジャパン株式会社」と「株式会社太田屋」の事例を紹介します。脱Accessを検討している企業は、取り組みの参考にしてください。
損害保険ジャパン株式会社
国内でトップクラスのシェアを誇る損害保険ジャパン株式会社では、部内に300人以上いる担当者が同時にログインして情報を更新する状況があり、Accessのレスポンスが著しく低下することが課題でした。
そこで、大人数が同時アクセスをしても安定したパフォーマンスが維持できるCELFを導入し、Access利用時に抱えていた課題解決を実現しました。
導入事例:損害保険ジャパン株式会社
株式会社太田屋
株式会社太田屋は、仏壇・墓石・仏具の販売事業と葬祭事業を主軸に展開する企業です。Accessベースで内製した販売管理アプリを運用していましたが、データ登録や集計時に二重入力が必要な場面が多く、ヒューマンエラーが発生しやすいという課題を抱えていました。
そのため、CELFで日報作成システムを作成し、全社で標準化した販売管理システムとPOSレジシステムに連携しました。これらを連携し、商品マスターや売上データの自動連携と、入力作業の効率化を実現しています。
導入事例:株式会社太田屋
Accessの代替ツールで業務効率を高めよう
Accessが時代遅れとされる背景としては、Excelの機能強化やクラウドサービスの普及、企業が扱うデータ量の増加などが挙げられます。
現状Accessを使用していて、その機能に限界を感じているなら、Accessの代替ツールの導入を検討しましょう。とくにおすすめなのは、プログラミングスキルや知識がなくても、誰でも手軽に業務に合わせたアプリを作成できるCELFです。
CELFなら、「2GB以上のデータを保存したい」「大人数で利用したい」「他のデータと連携して、より高度な分析に使いたい」といったニーズにも応えられます。全機能を30日間利用できる無料トライアルを実施しているため、まずは気軽に使用感を試してみてはいかがでしょうか。
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