中小企業の現場では、Excel業務の属人化や集計の手間が課題となっているケースは珍しくないでしょう。Excelからの脱却を図るツールとして挙げられるのが、CELFとkintoneです。
CELFとkintoneは機能が似ているツールですが、解決へのアプローチは対照的といえます。本記事では、両ツールの特徴や違い、選び方について解説します。
CELFの特徴

CELFは、Excelと同じ見た目と操作性で業務アプリを作成できるツールです。Excelファイルを、そのまま業務アプリに変換できるため、システム移行時に発生しがちな現場からの反発を抑えて運用を開始できます。
ここでは、CELFの機能や価格、利用に適した課題について解説します。
CELFの機能
CELFは膨大なデータを一元管理し、高度な自動化やシステム連携を実現するノーコード開発ツールです。リレーショナルデータベース形式を採用しているため、複数アプリの連動やAI活用が容易に行えます。
Excel関数をそのまま利用でき、独自の計算式にも柔軟に対応可能です。マクロ機能のように複数のアクションの自動化や、異なるアプリ間のデータの組み合わせや処理も実現できます。
オプションにより、AI機能やRPAも導入でき、業務の自動化に活用できます。ERPや基幹システムとのデータ連携も可能で、Salesforceや奉行クラウドなどの外部システムと直接連携し、基幹システムのデータ活用や転記登録を行えます。ASTERIA Warpを活用すれば、直接連携には対応していない多数のシステムとのEAI連携も可能です。
疑問点はコミュニティサイトで解決できる仕組みが整っており、具体的な使い方についての質問をすると、ユーザーやパートナー企業から回答を得られます。
参考:CELF
CELFの価格
CELFには、クラウド版とオンプレミス版があり、それぞれで料金や条件が異なります。すべての機能を利用できる30日間の無料トライアルがあり、操作性を確認したうえで導入できます。プランごとの料金や条件は以下のとおりです。
| プラン | 料金や条件 |
| 無料トライアル | 30日間(最大5名まで) アプリやデータの最大総サイズは100MBまで |
| クラウド版 | 1,800円(税抜)/月・1ユーザー 21,000円(税抜)/年・1ユーザー 最低利用ユーザー数10ユーザー以上1企業あたりのディスク上限値:ユーザー数 ✕ 2GB |
| オンプレミス版 | 16,560円(税抜)/ 年・1ユーザー 最低利用ユーザー数50ユーザー以上10ユーザー単位での購入 110ユーザー以上の場合、ボリューム契約割引がある3年もしくは5年一括購入も可能 |
RPAの利用には別途費用が必要です。企業の規模や利用形態に合わせたプランを選択しましょう。
参考:CELF
CELFの利用に向いている企業
CELFは以下のような課題を抱える企業に適しています。
- 現場がExcelを変えることに抵抗感がある
- 複雑な見積計算や予実管理をシステム化して一元管理したい
- システム化と同時に、事務作業の自動化もしたい
- 部署ごとに違う業務報告テンプレートを管理したい
Excel特有の関数をそのまま活用できるため、教育コストも抑えられるほか、RPA機能により、Webからのデータ取得や基幹システムへの転記も自動化します。CELFの利用に適した業務は以下のとおりです。
- 予算実績管理
- 見積・案件管理
- ワークフロー(申請業務)
- 人事考課と目標管理
- 会計データ取り込み
- 未入金管理
- 商談管理、顧客管理
- 受注データ登録
- 帳票出力管理
オプションで一部の機能はスマホでも利用ができますが、基本的には、PCでの定型業務効率化に貢献できるツールです。
kintoneの特徴

kintoneは、サイボウズ株式会社が提供するWebデータベース型のローコード開発ツールです。CELFと同様に、プログラミングの知識がなくても、業務アプリを簡単に作成・運用できます。
非IT部門の人材がチームの業務をシステム化しているケースも多く、現場の小さなシステムから事業のコアになるシステムまで対応でき、柔軟性が特徴です。
kintoneの機能
kintoneは、業務プロセス管理やコミュニケーション機能により、チームでの情報共有を円滑にします。主な機能は以下のとおりです。
- 業務プロセス
- データベース機能
- アプリ作成機能
- コミュニケーション機能
- 外部サービス連携機能
kintoneは、業務プロセスの進捗や承認申請状況をブラウザ上で可視化できるため、情報把握に優れたツールです。テンプレートやExcel読み込み、ドラッグ&ドロップの3つの方法でアプリを作成できます。データベース機能では、ExcelやCSVから取り込んだ情報を活用できます。
API(外部連携)やJavaScriptを使い、自社に必要な機能の追加も可能です。連携するサービスは200種類以上あり、他のアプリやサービスに移行しなくてもkintone上で処理できます。
参考:kintone
kintoneの価格
kintoneには、ライトコース、スタンダードコース、ワイドコースの3プランがあり、それぞれで料金や条件が異なります。初期費用は無料で、導入コストを抑えられます。プランごとの料金や条件は以下のとおりです。
| 初期費用 | 月額料金 | 外部サービスとの連携 | アプリ数 | スペース数 | |
| ライトコース | 無料 | 1,000円 | × | ~200個 | ~100個 |
| スタンダードコース | 無料 | 1,800円 | 〇 | ~1,000個 | ~500個 |
| ワイドコース | 無料 | 3,000円 | 〇 | ~3,000個 | ~1,000個 |
※月額料金は1ユーザーあたり。10ユーザーより契約可能
スペースとは、チームでのメッセージ投稿やファイル共有などができる機能です。メール共有オプションの利用は別途費用が必要です。必要な機能や規模に応じてコースを選択しましょう。
参考:kintone
kintoneの利用に適した課題
kintoneは以下のような課題を抱える企業に適しています。
- 外出先からスマホで日報や案件入力を行いたい
- チーム内での情報共有や進捗確認をスムーズにしたい
- 将来的にSFA(営業支援)やCRM(顧客管理)としても使いたい
スマホやタブレットに対応した機能が充実しており、場所を選ばずに利用できます。データ共有機能とコメント機能により、コミュニケーションの活性化に期待できます。kintoneの利用に適した業務は以下のとおりです。
- 予算実績管理
- 顧客管理
- 案件管理
- 企業間のやりとり文書管理
- ワークフロー(申請業務)
- 問い合わせ管理
- 日報・報告書
- ファイル管理
- 採用管理
- 社内ポータル
Excelとは操作感が変わるため、現場からの納得を得るには工夫が必要です。複雑な計算や帳票出力には有料プラグインが必要になる場合があり、コストが増加する可能性もあります。
CELFとkintoneの違い

CELFとkintoneはどちらもノーコードで業務アプリを作成できるツールです。しかし、CELFはExcel業務をそのままアプリへ進化させる手法なのに対し、kintoneは、Excelから脱却してWebデータベース化しており、解決へのアプローチは対照的といえます。
機能面と利用用途、コストパフォーマンスを比較し、目的や現場の状況に合わせて選択する必要があるでしょう。
機能面と利用用途の比較
集計を伴う業務や定型作業の自動化にはCELF、情報共有やコミュニケーション重視ならkintoneが適しています。両ツールの機能面を比較すると、以下のとおりになります。
| UI(見た目) | 得意業務 | 拡張性 | スマホ対応 | |
| CELF | CELFはExcelそっくり | ・複雑な計算 ・定型作業の自動化 | ・AIオプション ・RPAオプション ・ERPや基幹システムなどとのデータ連携 | △(PC推奨) |
| kintone | Webブラウザ型 | ・案件管理 ・日報 ・進捗管理 | ・Googleサービスやチャット ・コミュニケーションツールなど幅広い | ◎(対応アプリあり) |
両ツールの利用用途での比較は以下のとおりです。
| CELF | ・集計を伴う業務 ・基幹システムへの反映 ・基幹システム内のデータの集計 ・基幹システム内のマスター情報(商品コードや金額など)を使った管理業務 |
| kintone | ・情報共有 ・コミュニケーション ・進捗状況の把握 |
CELFは複雑な計算やRPAによる自動化が得意であり、kintoneはモバイル利用やチャットツールとの連携に優れています。UIの違いも導入を決める要素のひとつです。
コストパフォーマンスの比較
トータルコストは、必要な機能と開発範囲によって異なります。CELFは基本機能で完結しやすく、追加コストがかかりにくいことが特徴です。ただし、複雑なアプリ開発を行いたい場合には、慣れが必要かもしれません。
kintoneは初期導入費用が安いものの、対応する業務が増えるとプラグイン費用が積み上がります。利用人数と、RPAやモバイル利用の必要性から、損益分岐点を見極めましょう。
ERPや基幹システムのデータと連動した管理業務が必要ならCELF

CELFとkintoneを選択する基準は以下のとおりです。
- 現場は慣れているExcelの管理を求めている? → YesならCELF
- 情報共有をスムーズにしたい? → Yesならkintone
- 別のシステムへの転記作業を自動化したい? → YesならCELF
- 社内のコミュニケーションを活性化したい? → Yesならkintone
ERPや基幹システムと連動した管理業務が必要な場合や、これまでExcelで行ってきた業務やノウハウを活かしたい場合には、CELFの導入を推奨します。
社内のコミュニケーション活性化や、脱Excelを目指す場合はkintoneがよいでしょう。まずは両ツールの無料トライアルを試し、現場の意見をもらうことが重要です。
Excelを活かして定型業務の自動化をしたいならCELF
CELFは、Excelと同じ見た目と操作性で業務アプリを作成できるツールです。システム移行時に生じやすい現場の教育コストや負担を抑えながら運用を開始できるほか、複雑な集計やRPA、AIを活用した自動化にも適しています。
kintoneは、Webデータベース型のノーコード・ローコード開発ツールです。CELFと同様に、業務アプリを簡単に作成・運用できます。スマホやタブレットに対応した機能や、データ共有機能やコメント機能が搭載されており、情報共有やコミュニケーションの活性化に期待できるツールです。
Excel業務を活かして業務の自動化をしたいのであれば「CELF」がおすすめです。業務効率化を検討している方は、ぜひお試しください。
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