宅配コース適正化システムをCELFで再構築
作業の効率化とデータ提供の自動化の両立を実現

コープデリ生活協同組合連合会

業種: 生活協同組合

対象部署: 配送センター

対象業務: 宅配コース最適化

旧「エリア化システム」は手作業を多く必要としたため膨大な作業時間がかかった。
データ提供は極力手作業をなくして提供する必要があった。

 コープデリ生活協同組合連合会は、1都7県7会員生協によって構成される連合組織。商品・システム・物流・経理・人事教育などの共通基盤を整備し、宅配・店舗・サービス事業のチェーン本部機能を担っている。
 同連合会では、宅配事業における組合員満足度の向上と職場環境の改善を目的に、効率的な宅配コースを設定する「宅配コース適正化」の作業を定期的に実施している。これは組合員に対して配達可能な曜日・時刻を聞くアンケートを実施し、その集計結果をもとにコースを作成。組合員と調整したのちに新しいコースで配達するという流れで進められている。
 従来は、回収したアンケート用紙の内容をAccessで作成した「エリア化システム」に入力・処理するという仕組みを利用していたが、ここに課題があった。アンケート作成の元データは、基幹システムから必要な情報をデータウェアハウス(DWH)に収集・蓄積し、そこから週次でデータを手作業で作成して宅配センターに送り、センター長がAccessにデータを落とし込む作業を毎週行っていた。データ提供は極力手作業をなくして提供する必要があった。
 また、Accessのシステムから必要なコースをExcelに読み込み、コースを切り貼りしながら手作業で新たに作成し直さなければならず、煩雑で膨大な時間を費やしていた。

AccessとExcelに代わる業務アプリケーションをCELFで構築

 こうした宅配コース適正化の課題を解決するために、コープデリ連合会 情報システム第1システム部では、AccessとExcelに代わる業務アプリケーション作成ツールの導入を検討した。セキュリティを担保するために個人認証が可能で、導入しやすい低コストのツールを探したところ、基幹システムの構築・運用で取引関係にあるSCSKから紹介されたのが「CELF」だった。導入コストが安く、必要な機能を備えていると判断し、CELFを導入することを決定した。

コープデリ連合会
高橋 信行様

 CELFを導入した情報共有システム課では、Accessで作成されたシステムの機能と画面を再現する形でCELFに移植。同時にExcelで行っていたコースの切り貼り作業を、CELFの画面上で操作できるようにした。アンケート作成の元データは、DWHで作成したものを週次で自動転送し、タスクスケジューラを使って自動的にCELFへ取り込み処理を行うように変更している。CELFアプリケーションを開発するにあたっては、従来の機能を取りこぼさずすべて取り込むとともに、使い勝手が良くなるように操作性を改善した。

ユーザーの作業負荷が軽減され、スケジュールが約2カ月短縮。
データの一元管理によりセキュリティ強化の効果も得られた。

 宅配コース適正化システムをCELFで実現したことにより、コープデリ連合会ではさまざまな効果が得られている。最大の効果は、システムのユーザーである配送センターのコース作成担当者の作業負荷が大幅に軽減されたことだ。従来はメールで受信したデータを取り込み、さらにExcel上でコースの切り貼り作業を行う必要があったが、現在はすべてCELFアプリケーション上で完結。作業負荷が軽減したことで、コース作成時間も大幅に短縮されている。
 また、CELFとは別システムで動いている地図システムと連携させたことで、配達コースのシミュレーション作業の負荷が軽減。これらの時間短縮効果によって、コース作成にかかっていた全体のスケジュールが約2カ月程度早く終わるようになった。
 もう一つの大きな効果が、セキュリティ強化につながったことだ。データはすべてCELF上で一元管理され、宅配センターのPCに個人情報を保存して直接扱うことがなくなった。そのため情報漏えいの心配もなくなり、「これなら問題ない」とセキュリティ委員会からも承認を得た。
 CELFによる新しいシステムが稼働してからは、同じ曜日・同じエリアを複数の担当者で配達していた状態が是正され、エリアを分割して効率的に配達できるようになった。各生協職員からも、コースによる配達距離や配送にかかる時間の格差がなくなったと効率化の向上を評価する声が寄せられている。

アプリケーションを容易に開発できる
利便性・迅速性を他の業務にも適用

コープデリ連合会
渡耒 豊様

 情報共有システム課では逐次システムの改修を実施しており、現在は全宅配センターに対応できるアプリケーションに修正されている。データ連携もEAIツールを取り入れ、大量のデータを一度にCELFへ取り込めるように工夫した。
 今回の開発は情報共有システム課の主導により行われたが、現時点ではシステムの運用管理を徹底するために、ユーザーに開発環境を開放する予定はないとのことだ。ただし、3日~1週間程度で1本のアプリケーションを開発できる利便性・迅速性を活かし、例えばExcelで行っている定型的な業務をCELFのRPA機能を使って自動化するといったさまざまな用途にCELFの適用範囲を広げていきたいと考えている。

企業情報

企業名コープデリ生活協同組合連合会
業務内容
    1.会員の事業に必要な物資を購入し、これに加工し若しくは加工しないで、又は生産して会員に供給する事業
    2.物流事業、商品媒体作成、システム共同化による開発ソフトの作成その他コープデリ連合会が会員の事業に必要な各種機能やサービス等を提供し、会員が共同して利用する事業

導入事例