販売予算の作成をCELFでシンプル化に
部門間のやり取りを縮小し、運用負荷を軽減。時間の短縮に成功し、働き方改善へ

株式会社LIXIL

業種: 建設業

対象部署: システムインフラ部・LHT営業管理部

対象業務: 販売予算作成

Excel・Access管理による運用負荷を軽減したい

株式会社LIXILは住まいの水回り製品と建材製品を開発、提供するグローバル企業LIXILグループの中核となる事業会社である。2011年に国内の主要な建材・設備機器メーカー、トステム、INAX、新日軽、サンウエーブ工業、東洋エクステリアの5社が統合して誕生した。100年以上の歴史を持ち、現在、世界150カ国以上で約75,000人の従業員を擁するグローバル企業となっている。毎日10億人以上の人びとがLIXILの製品を使うなど、豊かで快適な住まいを提供している。このようにLIXILは、国内事業の活性化に向け、ITインフラを拡充することで、より柔軟で多様な働き方を推進している。
同社の経理部門は、営業部門の販売予算作成のシステムの改善に頭を悩ましていた。1998年、トステム時代から使っていた現行のシステムでは限界が近づいていたからだ。大量のデータを使って分析するため、AccessとExcelを使用していたが、品目が多岐にわたること、また複雑化する業務の負荷に耐え切れずデータが破損する危険性もあった。
また、営業の予算管理は、拡販意欲やセールスの期待度といった人の意図も入り、上長がトップダウンで予算を割り付けていたが、管理者の負荷が大きかった。それに加え、5つの会社が1つになったことからマスタの情報量が増加。Excelも重くなり、ここ2~3年でトラブルが急増。システム改善は早急にしなければならない状況だった。
業績管理をするLHT事業経理統括部の山口氏、開発担当のデジタル部門の阿部氏は次のように話す。
「管理者がAccessを使ってデータを抽出、それをライン長が使うExcelに落とし予算確定。そのあと管理者がデータを受け取って予算管理をしていました。各エリアの管理者とライン長の双方で負荷が高く、運用負荷が大きい業務体制になっているため、現場からは改善の要望が多数上がっていました。システムの改善は緊急を要し、かつ改善のポイントは、予算策定期間の短期化とシンプル化でした。」そこで社内で検討、ExcelがベースとなっているSCSKのCELFを導入した。

開発生産性も良く、短期間で開発可能。
見慣れたExcel仕様で現場サイドも抵抗感もなく、導入・運用に成功

導入には一つ問題があった。それは「基幹システムはグローバルに対応したもの」であることが求められていたからだ。しかし、基幹システムの刷新には、かなりの時間を要する。老朽化の問題もあり、時間をかけることはできなかった。そこで現時点での問題を解決する方向に変更。多言語が対応しているグローバルなものから、国内で簡易に管理できるツールに焦点を合わせた。
その中でCELFが候補として上がった。Excelがベースとなり分かりやすいメリットがあったが、簡単が故、現場で手を加えられ、壊れるデメリットもあった。
そこでシステム部門は開発ツールとしてCELFを活用。現場は入力のみとすることでリスクを回避した。Excelがベースのため開発生産性が高く、スピーディに開発・導入が可能なことからCELFを過渡期のツールとして採用した。
今までがExcelだったことから画面の操作性も変化なく、現場のユーザーも抵抗感なく取り入れられた。

各部署にヒアリングを実施し、機能の絞り込みに成功

株式会社LIXIL様導入事例:(写真)左からLHT事業経理統括部 営業管理部 青木氏、山口氏、デジタル部門 システムインフラ部 阿部氏
株式会社LIXIL
左からLHT事業経理統括部 営業管理部 青木 氏、山口 氏
デジタル部門 システムインフラ部 阿部 氏

導入時に苦労をしたのは「システムの仕様」について。業務をシンプルにするために機能の絞り込みをしたが、「本当にこの機能はなくしても大丈夫なのか?」と意思決定に苦労をしたと山口氏は話す。
データ検証できる範囲はすべて検証し、各営業の支店に出向いて意見にも耳を傾けた。何年も前から課題だったこともあり、システム部門も現場の想いを理解していた。
また、全国に担当者がいるため、社内版ソーシャルネットワーキングサービスも活用して周知徹底をした。

株式会社LIXIL様導入事例:CELF業務アプリ画面。管理画面がシンプルになり、運用負荷が軽減しました。

CELF導入により販売予算作成業務が3490時間の削減に成功

導入から開始までは3ヶ月。青木氏が中心となり、2ヶ月で支社経理部門に教育が実施された。その後、全国にいる現場のライン長たちに1ヶ月で教育を実施。上記の社内ソーシャルネットワークサービスも活用した。
「シンプルに、短期間で予算業務を終わらせることが目的」として、現地にとって業務に大幅な変更がないように、また、抵抗がないように大きく見た目を変えずにシステム開発をしたこともあり、教育も短期間で完了。全国に400~500ある端末にCELFをインストールし、権限をつけることには手間も時間も取られたが、導入後は業務負荷が大幅に軽減された。
予算の作成を早く終えないと活動方針が決められないため、営業が早期に活動できる環境作りをすることが経理部門にとって必須となっていたが、今まで1年で8486時間かかっていた工数が4996時間に短縮が成功。3490時間の改善となった。現場からも「5割以上は工数が減った」と7割以上の人が実感。工数が多少減ったと感じた人も2.5割となり、実に9割以上が効果を実感している。

株式会社LIXIL様導入事例:CELF導入前後の業務フロー図

業務がシンプルになる、だからこそ改善ができる

システムインフラ部の阿部氏は「業務がシンプルにならないと改善できない」と語る。前システムでは期毎にアクセスをデータアップして再配布をしていたが、CELFとなった今はマスターを変更したら完了となるため、運用負荷が大幅に軽減。
働き方改革を進めている同社にとって、改善するためにはツールはなくてはならない存在。他社事例が各拠点からデータを収集して一元管理していることが多いと聞き、収集する業務に横展開をできないかを検討している。
建築材料・住宅設備機器業界最大手の企業であることから、業務も多岐にわたる。開発ツールとしても、ユーザーサイドでも活用しやすいCELFは今後働き方改革の一環を担っていくかもしれない。

企業情報

企業名株式会社LIXIL
業務内容
    住まいの水まわり製品と建材製品の開発、提供

導入事例