インプット業務を自動化することで
効率化とヒューマンエラーを撲滅
プロジェクトで築いたチームワークと意識改革で
人知を生かした業務への変革を目指す

株式会社伊東商会

業種: 卸売業、小売業

対象部署: セールスオペレーション部

対象業務: 受発注業務

100社100通りの業務フローにより社内統一が困難な状況に

株式会社伊東商会 SO(セールスオペレーション)部 左から、本社2グループ 比嘉門 聡美 氏、齋藤 鮎美 氏 中部グループ 三宅 夏巳 氏、髙阪 智香子 氏
株式会社伊東商会
SO(セールスオペレーション)部
左から、
本社2グループ
比嘉門 聡美 氏、齋藤 鮎美 氏
中部グループ
三宅 夏巳 氏、髙阪 智香子 氏

1953年に創業した株式会社伊東商会は、「新しい組み合わせによるお客様への価値創造」をミッションとして掲げ、産業機械の専門商社という特性を最大限に活かし、お客様のニーズに合わせた幅広いソリューションを提供できるのが強みとなっている。各種モーターや加工機械などの機械製品のみならず、生産ラインの自動化システムなどを提供しており、近年は油圧の回路設計シミュレーションソフトや製造実行システム(MES)の提案・導入など、デジタルソリューションの領域に業務を拡大している。
約5年前に、社内業務システムをオンプレからクラウドに移行し、それと同時に営業部門を支援する横断組織としてSO(セールスオぺレーション)部が発足した。RPA導入プロジェクトのリーダーを務めるSO部 中部グループ 髙阪 智香子氏は、CELF導入以前の業務体制をこう振り返る。
「SO部は、これまで、サービス品質の向上を目指し、業務プロセスの改善に取り組んできました。しかし、お客様の要望に個別に対応してきた結果、100社100通りともいえる業務プロセスが存在し、標準化という視点で課題がありました。また、業務が可視化できていなかったため、問題解決のための業務プロセスの見直しやシステム改善が不十分であり、手作業による人的ミスがなかなか減らせない状況でした。」(髙阪氏)

自動化を前提にした業務プロセスの整流化が成功のポイント

CELF導入の経緯についても髙阪氏に話を伺った。「数年前にコンサルを入れて、標準化を図ろうとしましたが、当時はお客様に合わせるという意識が強く、うまくいきませんでした。しかし、今回は、RPAを使って自動化する事を前提に、社内でプロジェクトを発足させました。業務をよく理解している現場担当者が主体となって取り組み、導入効果を最大限にするためには、自動化に適したプロセスへの変換を行う事が重要であるという考えのもと進めました。業務の可視化によって問題点を洗い出し、問題解決のためのプロセスの見直しと製品マスタやVBAマクロの整備を実施しました。それらによって、煩雑になっていたプロセスを整流化することができました。」(髙阪氏)
初期導入の適用業務として、仕入先EDIシステムへの発注入力を選定した。これは、導入効果が大きく、且つ横展開可能であるという判断によるものだ。人手で行っていたインプット作業の自動化は、大幅な工数削減とヒューマンエラー撲滅に繋がった。
CELF RPAの開発は、変更に柔軟に対応できるようSO部のプロジェクトメンバーによって行った。もともとRPAの知識があったメンバーはおらず、有償のトレーニングや自主学習、その他、週次の定例会によって互いにコツや技を共有する事で、スキルアップを図った。プロジェクトメンバー以外のSO部のメンバーに対しては、説明会やデモ会など、CELF RPAによる効果の理解を深める活動を行ったそうである。

株式会社伊東商会様のCELF導入事例前後の業務フローの流れ

他社製品と比較し「初心者にも圧倒的な扱いやすさ」が魅力でした

株式会社伊東商会 コーポレート部 IT グループ 課長 藤原 豊 氏
株式会社伊東商会
コーポレート部 IT グループ
課長 藤原 豊 氏

今回のプロジェクトを情報システム担当者として支援したコーポレート部 ITグループ課長 藤原 豊氏に、CELFを知ったきっかけについて話を伺った。
「社内でProActive(※1)を導入しており、SCSK営業担当者より以前からCELFは紹介を受けていました。その頃は体制的な問題もありRPA導入にまで踏み切れませんでしたが、今回、SO部が立ち上げたプロジェクトをきっかけに、具体的な検討が始まりました。約半年ほどかけて他社製品と比較検討し、高額な製品は導入してダメだったらという懸念がありましたが、CELFは費用対効果の点でハードルが低くコスト面でも優れていました。他社製品と比較して、専門的なプログラミング知識がない初心者にもとっつき易いエクセルライクなUIと操作性、現場ですぐにカスタマイズができる直感的な作りに魅力を感じました。
また、RPA機能だけではなくアプリ開発やデータ統合ができる機能もあり、社内で使用しているExcel形式の帳票・管理表をCELFに置き換える事でExcel特有の問題を解決し、データを一元管理できると考えました。導入については、コストや操作性に魅力を感じた他、CELFキッチン教室やエイ・フォース社(CELF認定 パートナー)のハンズオンセミナーに参加した際に丁寧なレクチャーを受け、自分たちの手で業務改革を実現できる、と実感できたのも理由のひとつです」(藤原氏)
導入後は、アウトソーシングしていた業務の中で「データを手動で転記する作業」をRPAによって自動化することで、大幅な時短と月40万円ほどのコスト削減となっただけでなく、アウトソーシングする内容も付加価値の高い業務にシフトしていくことができた。今後は同じプロセスを別の得意先へ横展開していきながら、全ての取引先データの一元管理を目指すと語る。
(※1)ProActive(プロアクティブ):SCSKが開発した27年間で約6,200社への導入実績を誇る「超寿命ERP」

CELF アプリケーション・トップメニュー CELF で作成した操作画面(トップメニュー) このシート一枚で処理に必要な定数や処理結果を全て管理し、基幹システムから出力したデータを外部システムからRPAでデータを入力させ発注業務を自動化。多種多様な項目をカラーバリエーションやレイアウトの工夫により、目的のメニューが見やすくわかりやすい構成となっている。女性プロジェクトチームならではのユーザーに対する細やかな気配りとセンスの良さが際立つ。

CELF RPA導入の取り組みを評価されたことで企業価値も上昇

「CELF RPA導入によって得られる効果は、「生産性向上」「業務標準化」「品質向上」「業務負荷軽減」の4つであり、これらの効果によって、「余力」を創出できると考えています。この余力は、人にしかできない創造的な業務へのシフトを可能にし、伊東商会の価値を高めるはずだ」と、髙阪氏は話す。
話の最後には、CELF RPAの導入は、SO部メンバーの絆を感じ、また、業務改善に対する意識・行動の改革に繋がった取り組みであったという話を伺う事ができた。「CELF RPAによる業務自動化は、新しい取り組みであり、プロジェクトメンバー以外のメンバーから理解を得られなければ、実現できなかった事でしょう。リリース後のエラー発生は、現場担当者に手作業をお願いする事態を招きましたが、解決に向け、様々な協力が得られたことに感謝しています。
また、導入効果に半信半疑だったメンバーが、効果を実感することで、自己の携わる業務にも適用するのではないかと考えられるようになり、CELF RPAを活用した業務改善に手を挙げるメンバーが増えました。」(髙阪氏)

さらには、CELF RPAでの業務改革の取り組みに対し、取引先からも高い評価を得られたという。
「RPAを取り入れることで取引先から“先進的なシステムを活用できる組織”として、企業価値を感じていただけました。CELFは分散しているデータやファイルを統合し一元管理する、デジタライゼーションの基盤として有用です。その基盤を現場が学ぶ事で自らが使いこなせるツールです。CELF導入を検討される企業様に、強くお勧めできます」(藤原氏)
ITの世界は「個人(スタンドアロン)」から「チーム(ネットワーク)」の時代へと移り変わってきた。今後も業務改革の波の中で、SO部のチームワークはもとより伊東商会全体の結束にCELFが一役買っていくだろう。

企業情報

企業名株式会社伊東商会
業務内容
    FA(ファクトリーオートメーション)機器の提案
    省エネルギーシステムの提案
    社会インフラ機器の提案
    国際調達支援サービス

導入事例