100を超える部署とのExcelでのやり取りをCELFにデータを連携して情報セキュリティ管理業務の
効率化を実現

株式会社ジェーシービー

業種: 金融

対象部署: コンプライアンス部門

対象業務: 情報管理業務

Excelを利用した「社内情報資産管理」に限界

大手カード会社の株式会社ジェーシービーは、国内の事業にとどまらず、アジアを中心としてグローバルに事業展開を行っている。
同社は、一般の企業が保有している業績情報などのデータはもちろんのこと、様々な重要情報が数多く存在している。ISMS(情報セキュリティマネジメント)審査を受ける際、グループ全体で100を超えるユーザー部門が、どのような情報をどう管理しているのかを「情報資産管理シート」を用いて情報資産の洗い出しや、リスクシナリオのアセスメントなどの管理を行っている。
従来、この情報資産管理シートのやり取りはExcelのシートに記入し、グループウェアの掲示板に貼り付けるというやり方で行われてきた。しかし、このやり方では、ユーザー部門の作業管理や修正依頼などに大きな業務負荷がかかる。さらに、ユーザー部門のデータは複数のシートに分かれているため、全体傾向を分析・活用するには、コンプライアンス部で手間のかかる転記作業をしなければならなかった。

株式会社ジェーシービー
コンプライアンス部
情報管理室 副主事
大崎 譲 様

コンプライアンス部 情報管理室 副主事の大崎譲氏は、従来の状態について次のように振り返る。
「ISMSのリスク管理を行うため、ユーザー部門に対して『Webは利用しているのか?』『外部との情報授受を行っているか?』といったヒアリングを行っています。こうしたヒアリングで得た情報と、情報資産管理シートとの連携評価ができれば、より的確な情報セキュリティリスク管理が効率的に行えるようになる。しかし、Excelとグループウェアを使った仕組みではデータベースとしての機能がないため、データ連携の実現が困難だった。」と話す。

Excel業務との高い親和性。システム開発と同等の機能をCELFで実現

データを連携させて活用できるようにするために、社内でのシステム開発を検討したところ、かなりの高額になってしまうことが判明した。システム開発ほど予算をかけず、同等のことができないか。そうしたソリューションを探していくなかで目に留まったのがCELF(セルフ)だった。大崎氏は、CELFのデモを見たときに、「インターフェースがExcelライクで、これならばユーザー部門の担当者も違和感なく利用できる」と感じたという。また、CELFには横展開や拡張時にオンプレ版が用意されていることも魅力でした」と話す。
CELF導入後、まずはISMS審査に必須の「情報資産管理シート」をアプリケ―ション化すべく、導入担当者である大崎氏自身がアプリの設計・開発を行った。大崎氏はいわゆるシステムの専門家ではないが、関数を含めExcelのレイアウトをそのまま取り込める機能などを利用することで導入をスムーズに行うことができた。
「自分で設計・開発を行ううえで複雑な仕様に関しては、SCSKが実施している技術質問会に参加して、CELFのスペシャリストからアドバイスを受けて解決していきました」と、SCSKのサポート面も大崎氏は評価する。こうして大崎氏は通常業務と並行しながら、約3カ月で導入に至った。

CELF(セルフ)アプリケーション画面

ユーザー部門が「Excelと勘違いする」というほど、スムーズに浸透

CELF導入後、情報を提出する側のユーザー部門に大きなメリットがあった。海外事業を担当する国際本部 国際業務部統括グループの北山春香氏は、国際業務部内で情報管理に関する事務局的な役割を担っており、3グループ、7ライン合計37シートの取りまとめを担当している。

株式会社ジェーシービー 国際本部 国際業務部 統括G 北山 春香 様
株式会社ジェーシービー
国際本部 国際業務部
統括G 北山 春香 様

ExcelからCELFに移行され北山氏は、「Excelで管理しているときには、データが集まっていない部署はどこなのか確認し、担当者に催促する必要がありました。ところがCELFでは一覧で各部署の提出状況が確認できるので、データ入力を行っていない部署がどこなのか一目でわかります。担当者自身もCELF上で自分の提出状況を把握できるため、催促する前に自主的にデータ入力するようになり、統括Gでのチェックも、プルダウン選択するだけでデータ確認がおこなえ、これまでのExcelファイルの開き直しが不要となり、担当の作業負荷が減少しました」とCELFを利用しての実感を話す。また、操作性に関しても北山氏は、「Excelを使っているのと同じ感覚で、違和感なく作業することができました」と評価する。ユーザーのなかには、「ほんとうのExcelかと勘違いして操作してしまう」という人もいるほどで、非常にスムーズにCELFへの移行を実現できた。

また、一度コンプライアンス部に提出したデータを修正したいという場合でも、効率的に修正が行えるようになった。従来は修正依頼メールと電話でコンプライアンス部へ依頼し、修正できないようにしていたグループウェアのロックを解除して、修正していた。「100を超える部署からデータが集まってくるため、修正依頼の連絡も多く、コンプライアンス部にとっては大きな負担となっていました。CELFは、編集機能でデータベースのデータが修正される仕組みになっているので、煩わしい作業がなくなり負担が減りました」(大崎氏)このように、CELFに移行したことで、Excel時代にはできなかった柔軟なデータ閲覧、編集作業など利便性が大きく向上した。

株式会社ジェーシービー様CELF(セルフ)アプリ移行前後の様子

データを連携して情報資産管理業務全体をCELFで管理

今後は「情報資産管理シート」を収集した後にリスクを評価して改善活動に役立てる「リスクシナリオアセスメントシート」についてもCELFで管理する予定だ。そして最終的には、「情報資産管理」に関する全ての業務をCELF上で完結できるようにする計画だ。これまで単なるExcelシートをグループウェアに貼り付けて保存するだけだったものから、入力されたデータを連携させ、プロセス全体を管理することで、利便性が大きく向上。「リスクの分析」「社内規定の評価」「判断材料の提供」など、これまで以上に高度なデータ活用が可能になる。さらに、問題が発生したときの原因追求が容易になるなど、更なるコンプライアンス強化につなげていく。

株式会社ジェーシービー コンプライアンス部 情報管理室 土居 総二郎 様
株式会社ジェーシービー
コンプライアンス部
情報管理室
土居 総二郎 様

コンプライアンス部 情報管理室の土居総二郎氏も、「情報管理室の仕事が、大きく変わる可能性があります」とCELFの効果について言及する。「これまでは、担当者が職人技で仕組みを作り、各部署から情報を集めていたという状態です。CELFによりデータベース化されたことで、これまでのように人に依存することもなくなります。担当者が変更した場合の引き継ぎも容易になります」(土居氏)
さらに、ジェーシービー社内にはExcelを利用する作業が他にも多数あり、「自分たちの業務もCELFを使えないか?」という声があがっているという。CELFはこれからも業務の効率化に大きな効果をもたらしていきそうだ。

企業情報

企業名株式会社ジェーシービー
業務内容
    クレジットカード業務、クレジットカード業務に関する各種受託業務、融資業務、信用保証業務、集金代行業務、前払式支払手段の発行ならびに販売業およびその代行業

導入事例