CELF RPA機能を導入し、
年末調整の電子申告化を実現
人手不足が続く会計事務所業界の中で、
作業時間を大幅に短縮させた
税理士法人とどろき会計事務所
業種: 会計事務所
対象部署: 総務部
対象業務: 年末調整 申告業務
人手不足にもかかわらず、煩雑な作業が残る現場
税理士法人とどろき会計事務所は、顧客企業に対し多様な会計サービスを提供している。会計事務業は市場的にも人手不足が続いており、限られた人数で多くの業務をこなさなければならない。人手不足は深刻な問題だ。当事務所の轟所長も「手が足りない中、業務効率化をどう高めるのが良いのかを模索していました」(当事務所・轟勝之所長談)と語る。
また会計事務業には「データ転記の作業負担」といった別の課題もある。顧客企業の様々な会計データを預かり、会計ソフトに入力・加工したのち、別の会計ソフトへ転記作業を行うが、ソフト間どうしのデータ連携がなされていないことも多く、それぞれのソフトに二重入力となる転記作業を行わなければならないのが実態だ。
そこで取り組んだのが、CELF RPA導入による「事務処理業務の効率化」と「年末調整の電子申告化」だ。年末調整の申告業務を電子申告で行うためには、給与計算用のソフトに登録された約200社分の顧客企業のデータを、電子申告用のソフトに手入力で転記するか、または、別途費用を追加してベンダーに依頼する必要があった。顧客には、社員500人の企業もあり、手入力し直すには時間がかかるため、昨年まで電子申告は実現していなかった。
そのため、郵便での書面申告となると、データ印刷、申告書類加工、郵送手配作業なども手作業で行う必要があり、上述の500人規模の申告業務となると、3人のスタッフが約3日間かけて行わなければならない作業量となっていた。
安価な価格と丁寧なフォローに惹かれ、CELFを導入
数年前から「こんな旧態依然とした方法ではなく、電子申告を実現したかった」と語るのは当事務所のスタッフである中村由布紀さんだ。
中村さんは、産休・育休を経て職場へ復帰した後、事務所内のシステムを見直す役割を担っている。現在は内勤であるが、以前は外回りも多く、社内外の現場での課題をよく把握している。その視点で気になることがあったのだ。また、このプロジェクトには同事務所のスタッフ、宮本エリ子さんも携わっている。宮本さんはメーカーの研究開発部門で製品の研究・開発・設計に携わっていたエンジニアの経歴を持つため、今回の業務への適性があった。専業主婦を経て、同事務所に勤め始めた宮本さんの経歴を聞き、中村さんがチームに召集、適材適所のチームでRPAプロジェクトが始まった。
まず中村さんと宮本さんはRPAツールの展示会へ足を運んだ。CELFではない、他のRPAツールの情報収集が目的だったが、「費用対効果が定かではない段階で所長に提案することに対して気が引けるほど、高価な価格だった」(当事務所・中村由布記さん談)という理由で検討を断念。そんな中、別ブースで展示・説明を行っていたCELFに出会った。当初のCELFの印象を中村さんはこう振り返る。「実は最初に惹かれたのはブース全面に押し出されていたCELFのキャラクターでした(笑)。というのも、RPAは難しいものというイメージがありましたが、CELFのブースは親しみやすく、他社と違って入りやすい印象でした」。またCELFは他社RPAツールに比べ価格が安価で「これなら所長に提案しやすい」と、まず30日間の無料トライアル版から使い始めた。
「年末調整の電子申告化」を目的に業務アプリの開発を進めたが、開発上の不明点は担当者に対面で相談できる無料セミナー「CELF業務アプリ相談会」に参加し直に相談。「どうしても出てしまうエラーに対して、サンプルを作成していただけました」(当事務所・宮本エリ子さん談)など、サポートの姿勢に安心できCELFを本格的に導入することを決定した。
RPA機能による自動転記を実現させ、異なる業務ソフトどうしの間で
データをシームレスに連携させることができた
今回CELFで開発した「給与支払報告書 電子申告用 データ移行システム」は、給与管理ソフトの中に蓄積されているデータをRPAに読み込ませ、電子申告用のソフトに自動で記入させるしくみだ。
このデータ移行システムにより、異なる業務ソフトの間でもデータを二重入力することなく、シームレスなデータの連携が可能となった。この自動化は2018年度の年末調整から当システムによる運用が実施される予定だ。テスト段階の現時点では、年末調整のための150人分のデータを電子申告用のソフトへ書き出すのに、約150分。CELF RPA導入後は自動でデータを転記し続けている間、スタッフは別の業務に時間を当てることが可能になった。従来発生していた手作業を省けることは、時間的にもリソース的にも多大なメリットだ。
上記の他にもCELFを導入したことによる副産物があった。今回のRPAツール活用をきっかけに、事務所内の業務を全般的に自動化しようという空気が生まれ、申告業務に携わる他の部署も協力的になった。かつてはそれぞれが属人的に、感覚で行っていた業務などもマニュアル化が進んでいる最中だという。個別の業務効率化が進み、今後は、組織全体での業務の効率化が促進されてゆくことだろう。
まずは無料で始めてみましょう!アプリをカンタンに”つくる”体験
組織全体のIT化を進め、顧客へのサービス向上に務めたい
CELF RPA導入を轟所長はこう振り返る。「大手の会計事務所でのRPAの採用例など聞いていますが、当事務所の場合、上から一方的に言われてやったものとは違い、現場からRPA導入の提案があって能動的にプロジェクトを推進し、現在も楽しんでやってくれています。そういう意味でこのツールを導入して本当によかったと思っていますし、RPA活用によって業務の効率化を実現できる可能性を強く感じています。また、産休取得を推進している当事務所において、業務効率化による労働環境の改善を図れたことも大きいです。中村さんのように産休・育休を経験して職場復帰してくれるスタッフを増やす一方、新社員も増員し100人ほどのスタッフでより高度なサービスを提供する事務所にしていきたいです」(轟所長談)。
当事務所でのCELFを用いた現場での業務の効率化はまだ始まったばかりである。「電子申告用 データ移行システム」のみならずその他業務でもRPA活用の本格化をより活性化させる予定だ。会計事務所の業務は、会計面での事務処理やアドバイスによって、顧客である各企業の経営を多角的にサポートすることでもある。自らの事務所で業務の自動化に成功すれば、顧客に提案できる業務改善のためのアドバイスにも幅が出てくる。業務の効率化を進めることは、会計事務所全体としてのサービス向上にも直結していくとも言えるだろう。
企業情報
-
「顧客第一主義」「プロ意識」「コミュニケーション」の3理念。
「お客様のお役に立つこと」「お客様と共に成長・発展すること」が私達の願いです。