時間のかかる受入・払出業務の効率化/
作業時間入力の省力化を実現
取引先からの受賞で取引企業数増加につながる好循環
ホリテック株式会社

業種: 学術研究,専門・技術サービス業
対象部署: 検査部門、管理部門
対象業務: 検品業務
受取・払出作業で手書き→Excelへの転記が何度も発生し業務負荷大

ホリテック株式会社
代表取締役
堀内 研一氏
ホリテック株式会社は、山梨県で「自動車の重要保安部品」「ネットワーク関連」「衛星関連」「農機具関連」などの精密部品の検査を双眼顕微鏡で行い、高品質な全数選別を提供している。2010年10月創業以来、総勢34名の従業員と共に創意工夫と改善活動を通じて顧客の発展に貢献している企業だ。
そのような中、同社の検査業務では、紙の実績台帳に入力したデータをExcelに再入力するなど多重入力が発生しており、担当者の作業負荷軽減が課題となっていた。
同社の代表取締役を務める堀内研一氏は、 「一か月で1,000ロット以上と大量の検査対象が送られて、それをいつどれだけ受入・払出したかを手書きで記録し、それをExcelに転記していました。また勤務状況・作業実績も従業員の日報が手書きで記録されており、これもまたExcelに転記して管理するという方法をとっており、一連の作業に毎回時間をとられていました。その上毎月末の棚卸では数量のズレも起きるといった状況でした」と当時の問題点を語る。
また業務の非効率だけではなく、前日までの進捗状況や在庫状況が不明確で先が見通せない状況という部分は、経営全般と品質保証を統括する堀内氏にとっても不安の種であった。このような管理業務を効率よく的確にこなすことに課題感を持っている中、取引先からも管理方法に関する要求レベルが高まったため、システム導入による効率化を模索することとなった。
予算的な制約がある中で、パート従業員も使えるCELFを採用
実際にシステム導入を検討する上で大きな投資は難しい状況だった。そのような状況の中要件をまとめ、複数のソフト開発会社に相談し、提案されたソリューションの中から同社が選定したのがノーコードツールのCELFである。
「システム導入の提案を3社に依頼しましたが、弊社のような小規模企業では予算が足りない中で、CELFではこちらの希望予算内にて実現できる仕組みがあるということで導入を決断しました。またエクセルベースの操作性のアプリが時間もかからずに開発ができるところは、システムにあまり詳しくない当社にとって大変魅力的でした。 」 (堀内氏)
導入決定後、スペースが限られた現場で担当者が直接データ入力できるようタブレット型PCの採用や、担当者の入力不可を軽減するためにバーコードリーダーによる入力など、堀内氏の意向を反映したシステム構成となった。
「直接画面にタッチし操作できることで、あまりPCに詳しくないパート従業員でも容易に操作することができるため、例えば『作業の中断登録』や『再開登録』も分単位で管理できるようになり、正確な工数取りが実現できました」(堀内氏)
バーコードでの管理と併用し、管理制度向上と作業時間削減を実現
さらに取引先からQCDを評価され「ベストサプライヤー賞」を受賞
CELFの導入もスムーズに行われ、相談から3か月後にはシステム稼働となった。また同社が得た最大の効果は、業務効率の大幅な改善と正確なデータ管理の実現である。
「棚卸はこれまで毎月1日、業務終了後から22時まで社員とともに対応していたが、導入後は1時間と非常に圧縮されました。また紙とExcelで行われた受払担当業務が60%工数削減されて、その浮いた工数分をメインである検査業務に充てることができ、パフォーマンスが上がっています。
またCELF上にすべての記録があるためデータ管理がしやすく、正確な在庫数と正確な工数管理により先々を見通せることができるようになったことが経営視点でも大きいです」と堀内氏は強調する。
さらに、導入効果は自社の業務改善だけにとどまらなかった。
「正確なデータでの分析により、QCD3拍子揃った高品質な製品をお届けすることができ、お客様より『ベストサプライヤー賞』を受賞することができました。評価されたこと自体嬉しいことですが、さらにその受賞が周知されることで信頼感が増え、新たな取引が生まれる好循環が起きました。」と堀内氏は成果を語る。
CELFの導入によって、作業の効率化や可視化が進み、データ基準で判断できるようになった同社。担当者も業務における進捗や不良率など進み具合をデータで確認するようになったという。堀内氏は以前のシステムとの違いを下記のように説明する。
「正確なデータと分析により従業員一人一人の実績をダイレクトに把握できるようになったことで、従業員のモチベーションも上がり、結果として経営改善につながりました」(堀内氏)

事業拡大を見据え「データの蓄積」が経営の支えに
今後の展望について堀内氏は、「現状を可視化して従業員と共有することは大変重要であり、小規模から中規模にシフトする中で正確な工数を把握することは、従業員の管理に大変役立ちます。作業日報からの落とし込みでなく作業データからの落とし込みにより精度の高いデータが蓄積でき、今後の経営に役立ちます」と語る。
最後に、CELFの導入を検討している企業へのアドバイスとして、「導入コストが低いことも安心材料です。当社のような小規模の会社様など多くの企業様にお使いいただくことで、より便利なツールとなることを願っております」と締めくくった。
CELF導入による業務改善で利益率が2%向上を実現したホリテック株式会社は、今後勤怠管理システムと連携させて生産計画に活かしたいとも語っており、さらなる業務改善や創意工夫による成長が期待される。

企業情報
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双眼顕微鏡検査、双眼顕微鏡でのバリ取り業務、各種測定器での寸法検査、ピンゲージを使用した穴径の検査、各種組み立て